大磯一里塚(化粧坂一里塚)日本橋より十六里目
日本橋から16番目の一里塚「化粧坂一里塚」は比較的往時の雰囲気を残していた。
実は初めて歩いて来た時に道を間違え国道を通ってしまった為見逃していたのだ。
そこで天気の良い日を見計らって再訪してみた。
正確には再訪ではなくて初めてなわけなのだけれど、道に間違った際に「ああもう少しだけあっちの道を言っていれば今頃…」という気持ちが強かったのでそういう気分にさせるのかもしれない。
晴天の化粧坂は人通りもまばらで道幅のわりには車通りも少ない、閑静な住宅街風なのに道だけが街道たる雰囲気を醸し出していた。
歌舞伎で有名な曽我兄弟の仇討。
曽我十郎の愛人「虎御前」が仇討で命を落とした十郎を想って流した涙から「虎ヶ雨」と名付けられた梅雨の雨。
大磯宿の入り口を描いた広重の大磯。
そんな雨が嘘のようなカラッと晴れあがった残暑の空に、往時を偲ばす松のシルエットが映えます。